
冷たい物がしみることはありませんか?
それは知覚過敏かもしれません。今回はそんな知覚過敏について説明します。
知覚過敏は正式には象牙質知覚過敏症といいます。
擦過刺激や冷温刺激などによって引き起こされる短時間で一過性の歯の痛みで、
特に虫歯や神経の炎症などの病変がない場合にみられるものをいいます。
知覚過敏のメカニズム
歯の一番表面にあるエナメル質は削っても痛みを感じることはありません。
しかし、エナメル質内部の象牙質を削ると痛みを感じます。
象牙質には表層部から歯髄まで連続する無数の象牙細管という管状構造物が存在します。
細管内には細胞があり、この周囲に神経の末端線維が分布している為、健全
な象牙質を歯ブラシなどで擦過するとその圧が細管内に伝わり、痛みが生じると考えられています。
知覚過敏の起こりやすい状況(原因)
加齢による歯頸部の露出、歯周病、摩耗、咬耗、酸蝕症、ホワイトニング、修復治療、歯質の亀裂、破折など色々あります。
酸蝕や、咬耗、摩耗による知覚過敏は、日常生活の生活習慣や環境などで歯質を喪失するものなので
セルフケアも大事になります。セルフケアのポイントなどをお伝えしたいと思います。
酸蝕による知覚過敏
酸性飲食物がの多量摂取によりエナメル質表面が溶けて症状を起こしている場合、原因となる物を取らないことが改善策ですが、なかなか困難な事なので、ある程度の対処法をお伝えします。
①酸性飲料の飲み方に注意する。長時間ちびちびと飲まない。ストローを使う。
②柑橘系は皮ごと食べない。種を噛まない。
③酸性の飲み物を飲んだら、飲料水で洗口して口の中のpHを中性にする。
④しみる症状がひどい時は歯ブラシのタイミングを30分ほど空ける。
摩耗による知覚過敏
乱暴なブラッシングでエナメル質を削ってしまったり、歯肉退縮を起こすと症状がおこります。
この場合はブラッシングを注意する事で予防することが出来ます。
①適切なブラッシング圧で磨く。適切な圧は200g以下と言われてます。
②歯ブラシの選択。軟らかめのブラシ、極細毛、コンパクトヘッドの歯ブラシをおすすめします。歯間ブラシをお使いの方は大きいサイズを使わないように気を付けて下さい。サイズが合わないと歯を削ってしまいます。
③歯磨き粉の選択。最近は知覚過敏用の歯磨剤も売られています。(例シュミテクト)症状が軽いうちほど効果が発揮されるので早めのうちから使うのをおすすめします。普段使う歯磨き粉は研磨剤が入っていないもの、挺研磨性の物がいいでしょう。
咬耗のよる知覚過敏
噛みしめ、歯ぎしりにより歯が削れ症状を起こすことがあります。
噛みしめなどは、歯の症状以外にも、肩こりや顎の痛み、歯周病の進行など全身の及ぼす影響も大きいです。
予防策としては、日中は噛みしめないように目に付くところに「噛みしめない!」と書いた紙などを貼って注意喚起をする。夜は歯ぎしりの予防のマウスピース(ナイトガード)をはめる。
硬い物が好きな方やガムを常用する方は、咬耗による知覚過敏を増悪する可能性があるので注意して下さい。
咬耗は意識をすることが大切です。
ホームケア―を頑張ってみても、症状が強かったり改善がないような時は、我慢せず歯医者さんに相談してみて下さい。