過蓋咬合改善のためにクレンチングをコントロールしよう!

過蓋咬合を改善するために、まずはその原因である低い臼歯部咬合高径を改善する必要があります。
咬合高径を改善するためには, 何よりも歯にかかりすぎる力(クレンチングや頻杖その他の習癖)を解消しそれを維持しなければなりません.歯にかかる力が解消できなければたとえ矯正などで一時的に改善できたとしてもその後の経過で再び咬合高径は低下してしまいます。歯を支える骨などは増強できないめ、改善した咬合高径を維持するには、歯にかかる力自体をコントロールするしかないのです。
過蓋咬合を引き起こす生活習慣・口腔習癖へのアプローチ
過蓋咬合は乳歯萌出期の段階から見られますが、本人に対する指導が難しい年齢では, 親に対する生活習慣のコントロールから始めます.
寝方や歯ざしり, 頬杖, 硬い食べ物の嗜好, 下を
向いて行う細かい作業(ゲームや勉強), スポー
ツや趣味など, さまざまな生活習價などを確認
し過蓋咬合の原因を保護者といっしよに探しています.そして原因となる習慣が発見できれば、まずは周りから環境を整えるように指導します。例えば、寝方や頬づえなどは目に見えるため、親の協力で比較的に治療しやすい習慣です。
過蓋咬合の患者さんの殆どがほぼ100%硬い食べ物が好きで, 「氷や飴を噛み砕く」パンならフランスバスお菓子ならガムやグミが好きなど噛みごたえがある物を好む傾向がみられました.ガムやグミは当院て咬
合力を鍛えるために使用することがありますが、咬合力が強い傾向がある過蓋咬合の患者さんには控えるように指導しています.
以上のように原因がはっきりわかれば改善しやすいのですが, クレンチングなどの本人にも周囲から見てもわかリにくい口腔習癖は治しにくいです。なぜならこれらの口から腔習癖を実際に解消するには, まずは自分自身が話を理解したうえで, 自分の行動や習價を振り返り, 気づくことが’必要だからです。そのため, 患者さんの性格にもよりますが, 本格的なトレーニン
グの対象は7~8歳以上と考えています.
クレンチンぐは、下顎枝の成長を阻害すると考えており, クレンチングが強い患者さんの顔貌は短顔になりやすい傾向があります。
そのため, 奥で咬みしめすざないように.前方でやさ
しく歯を合わせる「前合わせ」の習慣を身につ
けることで, 強い咬合力によって阻害されてい
た下顎枝の成長を促し, 同時にU級傾向の改善
も期待することができます.そのためには.下顎枝の成長が概ね終わる時期までにクレンチングを改善し下顎枝の成長を促したいところです。
デンタルハイジーン6月参照
大石