
ブログを書くのが久しぶりになってしまいましたが、今回は喫煙の影響特に、受動喫煙による小児の口腔内への影響をお話ししたいとおもいます。
喫煙は、肺がんや気管支ぜんそく、肺疾患、心疾患、脳卒中など様々な病気のリスクが高まり1本吸うごとに寿命が5分30秒短くなると言われます。歯科においてもタバコに含まれるニコチンにより末梢血管が収縮して血流量が低下し、歯周病になりやすく治りにくいことが知られています。
喫煙の最大の被害者は子供だとも言われます。 小児期における喫煙の害は数多く、例えば妊娠中の喫煙による低体重児、乳幼児期における乳児突然死症候群、気管支ぜんそく、中耳炎、小児期における、がんや成人後の心疾患などがあげられます。 喫煙は小児の口腔内にも影響が現れます。受動喫煙により小児のむし歯が増加すると言われています。両親とも喫煙の場合3歳児の尿中のニコチン量が最も多いそうです。 続いて一緒にいる時間が長い母親が喫煙の場合の関係が強くなります。3歳児検診のう蝕患者率が最も高くなるそうです。
歯茎には喫煙によりメラニン色素の生産細胞が現れ歯茎が黒くなる事があります。歯肉着色のスコアを用いて園児を調査したところクラス3以上の歯肉着色のある園児は25%、着色のある園児のうち約80%は同居者に喫煙者がいるとのことでした。 想像以上に早くから受動喫煙による口腔への影響が表れていることがわかいました。 歯茎の着色は付着歯肉でのみで認められます。これは直下に歯槽骨があり血流量が少ない為と考えられます。 しかし、もともとの皮膚の色が黒かったり口呼吸や上顎前突の為着色が見られるので観察が必要です。 小児期は体のバランス能力が低く、転倒によって前歯の外相が多発する時期です。外傷による脱臼歯に固定を行っても受動喫煙により血液循環が悪くなると予後にも悪影響を起こすことも考えられます。インプラントの予後では喫煙者は非喫煙者に比べて失敗率が約7倍以上高いと言われています。 受動喫煙は様々な病気のリスクを高めます子供を守るためにも喫煙について考えてもらえればと思います。
歯科衛生 鈴木