
口腔内のリスクは各ライフステージにより少し違います。思春期における口腔内のご紹介いたします。 ①歯石歯石はプラーク同様に歯肉に宵を及ぼします.特に歯肉に炎症が起こりやすい方にはこの時期から歯石の付着しやすい部位を伝え、歯周病についての認識をもってもらいます。 ②歯列不正この時期の方は, 歯科矯正治療を行うことも多いです.矯正装置周囲の歯肉肥大が起こるリスクは女性の患者さんでより高いため、通常どおりのブラッシング指導に加えて,歯科医院でのクリーニングを行い, リスクを低減させます. ③口腔習癖口腔乾燥は年配の患者さんに多いと思いがちですが思春期でも, 不正咬合のため口が閉じにくい場合, アレルギー性疾患により鼻で呼吸しにくい場合, 習慣的に口が開いている場合などには, 口呼吸による口腔乾燥が認められます.そのような場合, プラークが歯面にこびりつきやすく, 唾液の自浄作用の低下のために前歯部の唇面や口蓋側に歯肉の炎症を引き起こします.そのほか舌が前に突出する癖や、口唇を噛む癖、口で咥える楽器の使用などの習癖がある場合、歯に異常な力がかかり、歯並びの変化や歯肉が下がるといった症状が出ることがあるため,習癖についての情報が必要です。 ④ブラキシズム歯をくいしばったり, こすりりあわせたり, 力チカチさせるなどの習慣が夜間行われていても、保獲者とは就寝の部屋も別となり気づきにくいのが実状です.歯のすりへりや咬耗がないかチェックし、顎関節へのトラブル、歯肉の退縮が起こってないか確認する必要があります。 ⑤付着歯肉、小帯の付着位置異常若い女性の方は、口腔、歯列も小さい傾向があります.小さめの歯ブラシを選択するのはもちろん, 頬の筋肉の硬さ.小帯の付着位置に異常がないかよく確認する必要があります.また, 付着歯肉の幅が狭く , 小帯の付着位置が歯頸部に接近しているとブラッシング時に粘膜を傷つけ,歯肉の退縮を進行させます.清掃用具の当て方, 動かす方向は歯肉や軟組織の付着状況に十分配慮します。 ⑥生活面での着目点飲食状況を把握し生活面の注意点を確認することも大切です.飲食状況を確認するためには, 3日~1週間ぶんの朝から夜まで飲食したものを書き出してもらうことが有効です.生活のリズムも把握でき, 思春期女性にありがちな間違ったダイエットを行っていないか, 酸蝕症のリスクがないか(カロリーがないと思って食べている飲食物の酸性度が高い場合がある)などをみつけることができます.飲食の内容については,正しい知識をもつことが大切です。 デンタルハイジーンより参照 大石 |