こんにちは。歯科医師の余です。
 4月から5回に渡り開催された、伊藤公一先生のぺリオセミナーに、Dr金子、Dr杉本、Dr菊池と参加してきました。
 講師は伊藤公一先生(日本大学特任教授 日本歯周病学会指導医)、植原俊雄(日本歯周病学会指導医)、山本やすよ(日本歯周病学会認定歯科衛生士)の三人で、茨城県の植原歯科で、講義と実習を交えて行われました。 講義で使用した部屋は、地下室で植原先生がヨットを作るのに使用していた部屋を改造して作ったそうです。ドクターと衛生士がペアになって行うのですが、今回特別にドクターだけで参加してきました。
 定員10名という少人数制なので、実習も1人1人に伊藤先生が丁寧に指導され、とても贅沢なセミナーでした。内容としては、基礎から、治療計画、メインテナンスまでの流れ、最終日はオペの見学までと盛りだくさんでした。
1. 歯周治療学総論 診査 歯周チャート作成2. 口腔内写真撮影(口写,X線画像のPC取り込み) 診断・予後判定・治療計画 3. 歯周基本治療 SRP実習・シャープニング4. 歯周外科治療 歯周組織再生療法5. 口腔機能回復治療 SPT/メインテナンス
 セミナーは少人数制なので、実習など一人ひとりの時間がたくさん確保されていました。伊藤先生に直接ご指導や相談が出来て、とても充実した5日間でした。習ってきたことを、衛生士とも共有して、より良い歯周病治療ができればと思っています。
 植原歯科では、全員にプラークを染め出すための染め出しを行なっていました。プラークの染め出しをすると、現在付着しているプラークがはっきりと確認できます。染め出された場所は、磨き残している場所であり、何度か染め出してみていつも同じ場所が赤く染まるようであれば、普段のみがき方を改善する必要があります。そして赤く染まった場所を意識してみがくことにより、確実に磨き残しをなくす歯みがき法が習得できます。厚いプラークは、舌で触ると分かるし、目で見てもわかるのですが、薄いプラークや歯茎との境目の汚れ分かりづらいです。染め出しをして、自分でチェックする目を養うことが非常に大切なのです。歯みがきの後にもう一度確認染めをして、みがく前に染まっていたところが染まらなければその汚れはきれいに落とせたことになります。このように歯みがきの成果がわかることで、歯みがきに対するやる気がでるというメリットもあります。植原歯科では、患者さんが鏡の前で歯磨きするのが当たり前になっていて、ヤガサキ歯科医院でも真似して行きたいと思いました。歯周病治療は、どんなに私たちが治療計画を立てて、歯石を取って、歯茎のオペをしただけでは、またすぐに再発してしまいます。
治したいというモチベーションと、毎日の歯磨きが大事なのです。みなさん、歯医者に来たらまず染め出しをしてみましょう。