明けまして おめでとうございます                 

今年もよろしくお願いします。

衛生士  飯田です

昨年末 口腔がんスクリーニングの必要性に出席しました。

 歯周病が糖尿病や心臓血管疾患などの全身疾患と深く関わることが周知されて久しいですが、最近では、アルツハイマー型認知症との関連性を認める研究が発表され、ネット上ではホットな話題となっています。
これらの影響からか、歯周病チェックのための歯科受診を希望される方も多くなってきました。
また、人生 100 年時代を迎えている日本において、40 歳以上はがん年齢であるとされ、2人に1人はがんになるといわれています。
特に、私たちの領域である口腔がんも増加傾向にあり、定期的
な歯科受診の価値がマスメディアの注目をあびるようになってきました。
このような時代において、私たちはどのような歯科医療サービスを提供できるのでしょうか?
定期的なメインテナンスの際、ただ単にプラークやステインの沈着具合、歯肉の炎症や歯周ボケットの深さにとらわれ、一喜一憂を繰り返す医療業務だけでは、これからの患者さんの期待に応えられないのではないでしょうか?
私たちが日常診ている歯周組織は口腔の一部分にしかすぎず、口腔の大半は粘膜組織です。
ともすれば見逃してしまいそうなこの部位に、患者さんを取り巻く環境や日常生活などによるさまざまな影響が反映され、口腔粘膜の変化としてあらわれていることが多くあります。
今回のテーマ『ロ腔内外チェック』は、視診と触診により、ちょっとした口腔内の変化を見つけたとき、患者さんに自分の口腔内をしっかりと観察および認識をしていただくことを目的としています。
その過程で、その患者さんとだけのオリジナルトピックスが発生し、健康に前向きな会話とともに信頼関係が深まっていきます。さらに、患者さんはクリニックでの『小さなきっかけ』から、自分で生活を振り返り、何かに気が付いてくれます。
歯科衛生士の「衛」は、「まもる」と読みます。
患者さんの健康をまもる(衛)ために働き、ひいてはそれが自分自身の心身の健康をまもる(衛)ことに繋がる職業、それが歯科衛生士という職業です。
定期的なメインテナンス時、口をとおして全身の健康をポジティブにサポートしたり、患者さんが患っている高血圧や糖尿病についての声掛けをしたり、口腔内外のチェックで、ひょっとしたら、患者さんの命を守ることに繋がるかもしれない小さな病変を発見したり。
こんな事が歯科衛生士の日常業務のひとつとなれば、歯科衛生士が果たす役割はもとより、歯科医療も大きく変わるはずです。
「あなたにみてもらうと安心するわ」「この歯科診療室に来るのが待ち遠しかったのよ」と言っていただけるホスピタリティ溢れるクリニック環境をつくりたいですね。

        薄井 由枝 先生