こんにちは。受付の柏浦です。今回は口の乾きについて書きたいと思います。

「口の乾き」を訴えて歯科医院を訪れる人が年々増えているようには思いませんか?「口の乾き」の原因はたくさんあり、通常はいくつかの原因が重なりあっで乾しとなって出現しています。なかには睡液の量が減っていないにもかかわらず、口の乾きを訴える人もいます。

また、口臭を訴えている患者さんのなかにも、口臭が他人にはまったくわからないにもかかわらず□奥を訴える人もいます。このような恵者さんは、しばしば”原因不明”として扱われますが、ちょっとした心の問題を抱えていることもあります。

「口の乾き—ドライマウス—]

口の乾きは「ドライマウス」と呼ばれますが、これは厳密な病名ではなく、患者さんの症状の訴えに対してのよび名です。その原因となりうるものはたくさんありますが、実際に、ドライ

マウスを訴え外来に来る方でもっとも多いのが”原因不明”といわれる人たちです。

ドライマウスの原因としてよく教科書に登場するのは「シェーグレン症候群」ですが、実際には1割未満です。また、原因不明と考えられた場合でも、薬を服用していると、薬の副作用が原因と片づけられる場合も多いようです。

たしかに薬の副作用で睡液分泌量の減ることはありますが、実際に睡液分泌量低下と診断されることは少なく、わずかな分泌量の低下でも苦痛を訴えて病院に足を運ぶ人が多いのが現状です。

それよりも原因不明といわれる人たちのなかには、「うつ病」や「不安障害」などの精神疾患に罹ってる人、精神的ストレスを感じている人などが多いということを理解しておく必要があります。うつ病の患者さんの8割近くは口の乾きを感じていますので、ドライマウスを訴える患者さんをくわしく問診することで逆にうつ病がみつかることもあります。また人前で話をしなくてはいけないときや、大事なことをする前など緊張して口が乾くというのは誰もが経験したことがあると思いますが、このような状態が続いているのが不安障害ですのでこれがドライマウスの原因になることも容易に想像できるでしょう。

実際には、うつ病や不安障害との診断がつくほどの状態ではないものの、精神的ストレスがあることからすこし気持ちが沈み込んでいるとか、ちよっと緊張しやすい性格からドライマウスを感じている人が多くを占めています。またシェーグレン症候群の患者さんはうつ病や不安障害、ストレス状態が一般の方よりかなり多いとの報告がありますので、シェーグレン候群の患者さんでも、ドライマウスの原因として心の問題は無視できません。

「ドライマウス、口臭恐怖症への対応」

ドライマウス、□臭を訴えている方は、程度の差こそあれ心の問題を抱えている場合が多いため、話を伺う際には心理療法の基本である「支持的精神療法」や□ジャーズの「クライエンと中心療法」などの概念をつねに心がけておくべきです。

ドライマウスでは、症状へのこだわりや改善のための焦りが、さらに症状を悪化させていることがありますので、症状の改善に過度にこだわらずに、焦らずゆっくり取り組むことがむしろ近道であるのです。

デンタルハイジーン参照