こんにちは助手の高松です。今回は高齢者や体が不自由な方がいるご家庭の準備と災害時のケアについてお伝えします。
●避難する時は、入れ歯とケアグッズを忘れずに 就寝中など入れ歯をはずしている時に災害が起こり、避難する場合など、入れ歯を持ち出すのをつい忘れがちです。入れ歯がないと、食べるのはもちろん、誰かと話したりする時にも困ります。  避難の際には家族が「入れ歯持った?」とひと声かけるようにしましょう。義歯ケースや洗浄剤などのケアグッズはあらかじめ非常時持ち出し袋に入れておくのをおすすめします。●普段の食生活で使用しているものを非常時持ち出し袋に 高齢者の方など、普段からやわらかい食事を食べている方は、おかゆなどの保存食を非常時持ち出し袋に入れておきましょう。病気による食事制限やアレルギーがある方も、普段食べ慣れている食事を多めに備えておくと安心です。  また、飲み込みが苦手な方や手が不自由な方は、ご自身が使いやすいフォークやスプーンを用意しておくと役立ちます。
●避難生活では、入れ歯を常に清潔に 避難所では入れ歯を置く場所もなく、人前で入れ歯をはずすことに抵抗がある方もいるでしょう。でも、お手入れをせずに、入れ歯をつけっぱなしでいると、入れ歯まわりの粘膜を痛めることも。それがきっかけで、食べるのも話すのもおっくうになり、体調を崩すことにつながる場合もあります。  災害時も、入れ歯のケアを欠かさないように心がけましょう。入れ歯にも歯垢がつきますから、食後ははずして汚れを落とします。同時に、歯やお口の粘膜を口腔用ウェットティッシュやガーゼ、ハンカチなどでぬぐっておきましょう。  なお、入れ歯は乾燥すると劣化するので、はずしたら義歯ケースに入れて保管しましょう。ティッシュなどにくるんでおくと、ゴミと間違えられて捨てられるおそれがあるので要注意です。  密閉できる容器などがあると持ち運びにも便利です。●避難所で食事をするときの注意点 飲み込みが苦手な方は、食べるときの姿勢にも気を配りましょう。食べ物をのどに詰まらせたり誤ご嚥えんを防ぐためにも、横になったままではなく、座るか、少し体を起こしてから食事をしましょう。●健康な人も要注意。自分を後回しにしないで!「災害という非常事態には、健康な方でも体調を崩しやすくなります。特に子どもや高齢者のいる家族や、介護や福祉、教育に関わる方々などは他者を優先してしまう傾向があったり、また高齢の方々は他者に遠慮する傾向があったりするようです。『エコノミークラス症候群』をご存じですか? これは足の静脈に血の塊(血栓)ができて、それが肺に詰まり、呼吸困難や心肺停止、ひいては肺塞栓症(肺動脈血栓塞栓症)をひき起こす症状なのですが、災害時には50代女性に多くみられるというデータもあります。  特に普段から元気で健康そうな人だと、無理をしていることに自分も周囲も気づきにくい場合があるので、注意が必要です。災害から復興していくためには、健康な体があってこそ。一人で無理をしすぎず、悩みを一人で抱え込まず、みんなで声を掛け合っていけるといいですね                

  LIONより抜粋