こんにちは!歯科衛生士の中島です。

今回は酸蝕症についてのお話です。
まずは酸蝕症とはどのようなものかおさらい
したいと思います。歯が減ることを Tooth
Wear(トゥースウェア)といい,酸蝕(erosion),
咬耗(attrition),摩耗(abrasion)などがあり
ます。Tooth Wear は酸蝕,咬耗摩耗が
複合して起こると考えられ,97%以上の人々
歯と歯の接触によりすり減ること
歯以外のたとえば歯ブラシや食品など、
物理的な方法によりすり減ること
歯の硬組織の病的, 慢性的かつ局所的な
欠損の結果であり、細菌の関与なしに酸また
はキレート化により歯の表面が
化学的に溶けることが
罹患している一般的な問題です。しかし,酸蝕の
影響が大きい場合,歯質の崩壊が甚大となりま
す.また, Tooth Wear のうち約7%は治療を必
要とする病的な状態にあるといわれています。
酸蝕症は原因となる酸の由来から,内因性と
外因性に分けることができます。内因性酸齲蝕
とは“胃液の酸によるもの”を指します.
GERD や摂食障害などでの習慣的な嘔吐は, pH
が1~2 と低い胃液が直接口腔内に出て歯に触
れるため,急速に酸蝕が進行します。また,外
因性酸蝕症とは“口の外から入る食物や薬剤な
どの酸によるもの”です。グレープフルーツな
どの果物や炭酸飲料などの pH の低い食品を頻
繁に摂っていると,食品の酸により酸蝕が始ま
ります。

●酸蝕症と唾液のカンケイ
では唾液との関係はどうなのでしょうか。唾
液の働き、酸蝕症から
歯を守る作用には以下があげられます。
*自浄・洗浄作用:粘膜や歯の表面を覆い,
咀嚼時に食物を付着しにくくしたり、洗い
流したりする。
*被覆作用:唾液由来の糖タンパクを含むペ
リクルが歯の表面を覆い、酸から歯を守る
*pH 緩衝作用:唾液中の重炭酸塩により,
プラーク中の pH が急激に低下するのを防ぐ。
*再石灰化作用:唾液中のカルシウムやリン
酸塩などのミネラル分が、歯を修復するのが
わかるように、3大唾液腺周囲は
唾液の力によって酸蝕症は起きにくいです。
唾液の作用が減少することで、臨蝕ばかりでな
く酸蝕症にも罹患しやすくなります。そこで睡
液についてもうすこしくわしく知り、酸蝕から
歯を守る唾液の役割を考慮しましょう。

デンタルハイジーン参照