
☆成人期にみられる特徴と生活習慣
この世代の特徴を一概に述べることは困難ですが、当院の患者さんからみた特徴として40.50代は仕事が多忙であったり、家事や育児のストレスがあったりして、ネガティブな思考に陥ってる方もいるため配慮が必要です。また、豊かな経験を活かして人とコミュニケーションを図る反面、他人と比較する、頑固、気難しいなど、対応に苦慮する場面も少なくないでしょう。女性の場合、更年期を迎え、身体の不調や、精神的な症状が現れる時期でもあります。
60代を迎え、定年退職後や子育てを終えた後は、自分の時間が増える一方、家族の介護などで疲弊してしまうケースも少なくありません。趣味や好きなことに打ち込まれ、毎日をいきいきと過ごしている方を多くお見かけしますが、社会とのつながりが希薄になったり、配偶者との死別などが起こったりして、大きなストレスを抱え込む可能性があるため、患者さんの生活や気持ちに寄り添った対応が求められます。
前述のとおり、40.50代の方は多忙で、決まった時間に食事を摂ることが難しくなるなど、不規則な生活になりがちです。さらには全身疾患、服薬が増え、健康に問題を抱える可能性が高くなります。本人も体力や身体機能の衰えを感じ「健康とは何か?」「健康でいることの大切さ」を見直すきっかけとなり、健康観も変化する時期だと考えられます。これらの年代では、生活の一部もしくは全体が変わり、さまざまな場面でストレスを受ける可能性があります。私たちは「身体(口腔を含める)のケア」と「心のケア」を考える必要があると思います。
☆成人期にみられる口腔内
当院では、40〜60代の方をセルフケア向上に役立てることを目的とし、歯磨きの時間や回数、間食の摂り方、1日の睡眠時間などの生活習慣について調査しました。その調査結果の1つで、初診患者さんにおける補助掃除用具(歯間ブラシ、フロス)の使用状況をまとめたグラフです。約半数が補助掃除用具を使用し、歯間部等の磨き残しに気をつけていることがわかりました。
その背景には、歯肉退縮が起こり歯間部の清掃が困難になる、修復物が増えて磨きにくいといった、40〜60代にみられる口腔内の問題があると考えられます。この状況が放置されれば、歯周病、根面齲蝕などが発生・進行し、歯の喪失が起こり、機能が著しく低下してしまうおそれがあります。また40〜60代は高血圧や糖尿病といった生活習慣病の罹患率が高くなり、服薬による唾液分泌量の減少がみられるため、齲蝕や歯周病の増加につながる可能性があります。
OHIを行うにあたり、特にプラークが残留しやすい歯頸部について一人ひとりの患者さんに合わせブラッシングのポイントをお伝えすることや、齲蝕、歯周病のリスクを軽滅させるため、補助清掃用具の適切な使用を勧めることが必要です。
デンタルハイジーン参照
受付 山下
ヤガサキ歯科医院でもさまざな清掃用具を置いていますのでお気軽にお声かけ下さい。
