こんにちは、歯科助手の阿部です!今回はみなさんも大好きな”食”を関連して、それぞれの年齢に応じた食べ方の指導や支援についてお話いたします。

食べ方は、十人十色。顔かたちが違うように、一人一人特徴があります。いっしょのテーブルで同じメニューの食事を食べていても,食べる順序、噛み方、強さ、速度、回数、時間、味わい方、おいしさの表現などこんなにも多くの要素が関与し、それぞれの人で異なります。

食事の場面は非常に身近なことですが、口腔の専門家として、いかにして「食べる」を見る(診る)かについては専門性の問われるところです。

ここで私たちが行ってるそれぞれの年齢に応じた指導と支援のポイントをお伝えします。

☆乳幼児(その保護者の方)
① 歯の萌出に応じた咀嚼機能獲得のための支援
・上下の前歯が生えてきたら、前歯を使って噛み取らせる
・上下の奥歯が生えたら、硬い・繊維質の食物を食べさせ始める
・早食いや過食にならないよう、よく噛んで食べることができるような調理の工夫をする
・ゆっくり噛ませて、薄味でも満足感が得られる食べさせ方をする

②口腔機能の発達を促す食べ方の支援
・固さや大きさの異なる種々の食品を、ゆっくり食べさせる
・唇を閉じたままの咀嚼を促す

③食材に応じた噛み方,食べ方の支援
・生え揃った乳歯を使い、しっかり咀嚼させる
・食物の硬軟、大小、粘度などに応じた食べ方を学ぶ

☆学齢期の小児
① 歯の交換の体験を通した食べ方の支援
・歯が生え換わる時期は、特に唇をしっかり閉じ、生えた歯を使った食べ方をする
・歯が生え終わる時期には、噛む回数を増やした食べ方をする

②「食べ方」から生涯にわたる健康な生活を考える食育支援
・早食いと肥満の関連から、健康な食べ方を学ぶ
・生え換わる歯を通して、食べ方と歯の役割について学ぶ
・ 歯と口の状態によって、食事時間への配慮が必要なことを学ぶ
・五感が満たされる食べ方を学ぶ

☆成人
①メタボリックシンドローム予防のための「食べ方」からの指導・支援
・食べ過ぎとならずに、適量で満足するようなよく噛む食べ方への行動変容を指導する

②食物の物性に応じた食べ方(噛み方)、飲み方の指導
・「噛まない」「早食い」を防止(一口ごとにお箸を置いて噛む食べ方)するよう指導する

③食べ方と肥満、味わい満足感など身体と心に及ぼす食
べ方の指導
早食いと肥満の関連を理解したうえで,健康な食べ方
を指導する
・心に満足感の得られる五感を意識した食べ方を指導する

☆高齢者
①口腔機能の維持・向上を目指した食べ方の指導
・食前の健口体操を生活習慣にするよう指導する
・一口30 回以上ゆっくりよく噛む食べ方をする

②誤嚥・窒息の予防のための口腔ケアと食べ方の支援
・五感を十分感じられるよう、口を清潔にすることを指導する
・誤嚥・窒息の予防を意識した食べ方、食べさせ方を指導する
・咀嚼・嚥下の機能程度に食形態を合わせる指導をする(栄養士と連携)

③義歯による食べる機能の回復と食べ方の指導

④唾液の分泌を促す咀嚼の指導

今後歯科においては、乳幼児から高齢者まで、そのひとにあった食べ方や、食を通した健康づくりを推進していくことが重要です。また、ヤガサキ歯科医院では、患者様にこのような紙をお渡ししております。一緒に頑張りましょう!

デンタルハイジーン参照