
こんにちは、衛生士の鈴木です。今回は、酸蝕症について軽くお話しをさせていただきます。
酸蝕症とは・・・
歯の表面はエナメル質というリン酸カルシウムでできています。このリン酸カルシウムは人体で最も硬い組織です。ところが、強い酸に触れると化学反応を起こして分解し、溶けてしまいます。エナメル質が溶けてしまうとその下にある柔らかい象牙質がむき出しの状態になり、食べ物を噛んだり、歯磨きをしたりする摩擦ですり減ってしまいます。こうした状態を放っておくと、冷たいものがしみる知覚過敏症になったり、虫歯が一気に進んだりするなど、さまざまなトラブルを引き起こすことになります。この現象を歯の酸蝕といい、酸蝕によって歯が病的に傷んでしまった状態を酸蝕症と呼びます。
酸蝕症に掛かった歯には次のような特徴がみられます。・冷たいものがしみる・歯全体が丸み帯びている・歯の表面がスベスベしてツヤがある・先端が透けたり、ヒビがはいったりし ている・奥歯がすり減って深い溝や凹みがみられる・エナメル質が濁って見えたり、象牙質が透けて見えたりする
酸蝕症の原因は、2つに分けられます。
・内因性の病因 胃食道逆流症、摂食障害、アルコール依存性
・外因性の病因 酸性度の高い飲食物や医薬品、サプリメントの過剰摂取(例:みかんやグレープフルーツ、レモンなどの柑橘類、それらの果汁から作られたジュース、梅干し、ビタミンCなどを含む酸性のビタミン剤やサプリメント、アスピリンなどの酸性の薬剤炭酸飲料、黒酢、栄養ドリンク、ワインにスポーツ飲料)
pHが5.5以下になると歯は溶けやすくなる為注意が必要です。

酸蝕症を防ぐ為には、
①酸性の飲食物を食べた後は水で口をゆすぐ
②酸性の飲食物をだらだら食べたり、飲んだりしない
③寝る前には酸性の飲食物をさける(就寝中は唾液の分泌が少なくなり、口腔内のpHが中性に戻りにくくなる為)
酸性の飲食物を多量に摂取した直後は、エナメル質が柔らかくなっている可能性があります。その為、直後に歯磨きをしない方がいいとも言われてます。唾液の力による回復が見込まれる30分程度時間を置くか、お水で口をゆすいでから歯磨きをするようにして下さい。
酸蝕症は虫歯や歯周病に続く第三の歯の疾患ともいわれます。定期的に歯の健康状態を確認しに来てください。