こんにちは。歯科衛生士の松尾です。

桜が咲いて、だんだん春らしくなってきましたが、みなさん、いかがお過ごしですか?今年も例年のようにお花見はできませんが、桜を見て、日本の季節を感じたいものですね。

さて、今回は「知覚過敏症」についてお話したいと思います。

 

知覚過敏症を知ろう!

 

知覚過敏症は、咬耗。摩耗、歯肉退縮による歯根面露出などで、索牙質が露出し、機械的刺激、化学的刺激、温度刺激などで一過性の鋭い痛みを生じる状態のことをいいます。

また、破折、亀裂、辺縁漏洩(充填物と歯との接合面が接着していないことによる隙間)、窩洞形成、修復処置、ホワイトニングが原因で発生する場合もあります。

知覚過敏症への対処としては、まず知覚過敏抑制材を使用する前に原因を発見し除去することが大切です。

 

1)咬耗、摩耗、歯肉退縮による歯根面露出などに伴う知覚過敏症

 

これらの場合、一般的には夜間のブラキシズムや過剰なブラッシング圧が考えられますが、昨今は酸性飲食物の過剰摂取などの原因も考えられるようになってきました。そのため、患者さんの生活習慣の問診や診査を注意深く行う必要があります。

 

ブラキシズムの場合、ナイトガードの装着、咬合調整などを行い、特定の歯にストレスがかからないようにするといった配慮が必要な場合があります。

 

 

2)破折,亀裂などによる知覚過敏症

 

これらの場合、X線検査や透過診などが原因の発見に有効なこともあります。また、ブラキシズムの場合と同じように、ナイトガード装着、咬合調整などを行うこともあります。

 

 

3) 辺縁漏洩窩洞形成、修復処置後に発生する知覚過敏症

これらの場合、まずは咬合の診査を行い、必要によっては、咬合調整などを行います。

その後、辺縁を注意深く診査し、当該部位に問題があるようなら、再修復が必要な場合もあります。

 

 

4) ホワイトニング後に発生する知覚過敏症

ホワイトニングの後に患者さんが痛みを訴える場合、まずはホワイトニングを中断する必要があります。ホワイトニングを中断しても患者さんが症状を訴えるようであれば、ほかの原因を探します。

 

 

知覚過敏の原因は1つとは限りません。

原因が複数にわたる場合でも、1つずつ確実に原因を探し、除去することで症状が軽減し、消退することがあります。

そのためには、専門家からの健康にかかわる適切な情報提供とペースに合わせた生活習慣の改善が大切になってきます。

考えられる原因を除去しても症状が軽減もしくは消退しない場合、対処療法としての知覚過敏抑制材の出番となります。

 

デンタルハイジーン 2019 2月号参照