超高齢社会のわが国では、医学的に問題のある患者さんが増加しています。これらの患者さん対して安全かつ有効な歯科医療を提供するためには、つねに全身との関係を考えて歯科処置を進める必要があります。

全身疾患の治療だけではなく、かぜや頭痛などの症状、健康維持などにはさまざまなくすりが、使用され、歯科治療においても痛み止めや抗菌薬などを処方することが多くあります。くすりにはその効果で得られる期待した作用(主作用)以外の”副作用”が起こることがあり、身体だけではなく口腔内や機能にさまざまな症状が現れる場合もあります。
副作用は大きくわけて①薬理作用、②薬物作用、③薬物過敏症(アレルギー)によるものがあり、それぞれ対応が異なります。

①薬理作用による副作用
くすりの血中濃度が高すぎることで発現する副作用なので、減量や緩和なほかのくすりへの変更を検討します。ただ、くすりが効いているからこそ発現しているともいえ、身体が慣れることでなくなる場合もあるため、生活に支障をきたさない場合は経過を観察することもあります。

②薬物毒性による副作用
急激な悪化ではなく徐々に影響が出ることが多く、患者さんが自覚しにくい副作用です。定期的に検査値を確認することでチェックできます。

③薬物過敏症(アレルギー)による副作用
服用初期に起こることが多く、はじめて服用するくすりの場合はもっとも注意が必要な副作用です。命にかかわることがあるので、しっかり見きわめる必要があり、疑われた場合はただちに服用を中止する必要があります。

〜歯科で処方されるくすりの副作用Q&A〜

☆痛み止め編☆

Q.1 痛み止めは胃を荒らしますか?
A.1 痛み止めに頻発する副作用に胃腸障害があり注意が必要です。

Q.2 胃をあまり荒らさない痛み止めはありますか?
A.2 アセトアミノフェンのようにあまり胃を荒らさない痛み止めもあります。

Q.3 ごはんを食べていなかったので、胃を荒らさないように牛乳を飲んでからくすりを飲みました、よかったですか?
A.3 正しいです。クッキーやビスケットなど、軽めの食べ物と一緒に飲むことができればなおよいです。

Q.4 ロキソニンはプロドラッグだと聞いたんですが、プロドラッグとはなんですか?
A.4 錠剤に入っている成分がそのままでは効果を現さず、体内に吸収・代謝されてから活性体になるくすりのことです。

☆抗菌薬編☆

Q.5 抗菌薬は食事すると吸収が悪くなると聞いたのですが、本当ですか
A.5 抗菌薬にも種類があり、歯科で処方される抗菌薬は食物の摂取によって吸収に影響は出ません。

 

デンタルハイジーン参照
受付 山下