みなさんこんにちは。受付の柏浦です!今回は誤嚥性肺炎についてお伝えします。

日本人の死亡原因の第3位は肺炎です。

 

特に高齢者に多いのは「誤嚥性肺炎」と言われています。日本では要介護高齢者数が年々増加しているとともに、認知症高齢者が今後増えていくと推定されています。

今回は、誤嚥性肺炎の予防を目的として、口腔機能と口腔細菌の観点から、嚥下に関与する筋肉の、リラクセーション効果が期待できる体操および、口腔衛生の必要性について紹介します。

 

「誤嚥性肺炎」とは?

 

私たちの身体は、のどの奥で気管(空気の通り道)と食道(飲食物の通り道)に分かれており、飲食物や唾液などが気管に入ることを「誤嚥」といいます。「むせてせき込む」ことで、気管に入った飲食物を出そうとします。誤嚥して肺に入ってきた細菌によって、起こる肺炎のことを「誤嚥性肺炎」とよび、命にかかわることもあります。

 

あなたも誤嚥しているかも?!

 

「噛む力」や「飲み込む力」の低下による誤嚥は「むせ」などさまざまな症状として現れます。次の項目でチェックしてみましょう。
⬜︎ 食事中にむせる
⬜︎ やせた
⬜︎ 物が飲み込みにくいと感じる
⬜︎ 肺炎と診断されたことがある
⬜︎ 食べるのが遅くなった
⬜︎ のどに食べ物が残ったように
⬜︎ 声がかすれてきた(がらがら声、かすれ声)
⬜︎ 硬い物が食べにくくなった
⬜︎ 口から食べ物がこぼれる
⬜︎ 夜、せきで寝られなかったり、目覚める
⬜︎ のどがゴロゴロ(たんがからんだ感じが)する
この2、3年にしばしば該当する項目が一つでもある場合は、医療機関にご相談ください

  藤島一郎:口から食べる嚥下障害Q&A 2011より抜枠

 

食べる前に、のどの準備体操を!

 

飲み込むことは、姿勢、呼吸と密接に関係しています。誤嚥を防ぐために、背筋を伸ばして深呼吸をしながら、首、肩、舌、頰の筋肉の準備体操をしましょう!
また、誤嚥した物を吐き出す訓練として、のどを痛めない程度に、ゴホン、エヘン)と意識的に「せき」をする練習をときどきしてみるとよいでしょう。

 

☆準備体操☆

① 深呼吸
鼻から吸って、ゆっくり口から吐く
② 首を回す
③ 首を倒す
④ 肩の上げ下げ
⑤ 背伸び
手を上にバンザイして伸びる
⑥ 頬を膨らませ、引く(2、3回)
⑦ 下で左右の口のはしを触る(2、3回)
下を出し、引く(2、3回)
⑧ 大きく息を吸って止め、3つ数えて吐く
⑨ パパパパ、ララララ、カカカカ、とゆっくり言う
⑩ 深呼吸

☆せきの練習☆

 

せきがうまくできない場合には①〜③を段階的に行うおないでしょう。

① 深呼吸
② 深呼吸の際にいったん息を止めてから吐く
③ 深呼吸の際にいったん息を止めてから吐く

  植松 宏監:セミナーかる!摂食・嚥下リハビリテーション1巻 評価法と対処法2005より

 

歯や口の清掃で誤嚥性肺炎を予防しよう

 

「口の中の細菌」は、誤嚥性肺炎の原因となります。

・歯ブラシや歯間ブラシなどを用いて、歯と歯の間まで清掃しましょう
・軟らかい歯ブラシや舌専用のブラシ(舌ブラシ)で、清掃しましょう
・入れ歯のお手入れをしましょう

 

 

舌の清掃の仕方

舌を前に出した状態で、ブラシを奥から手前に向かって軽い力で動かし、汚れを取り除く

   歯科衛生士会・日本歯科衛生学会監修 月刊『デンタルハイジーン」連載 医歯薬出版

ぜひ皆さんもやってみてはいかがですか?