
「歯の接触癖」
前回はTCHについてご紹介いたしました。
前回の記事はこちら
TCHとは Tooth Contacting Habit の略で、日本語に訳すと「歯の接触癖」
上下の歯を接触させ続けてしまう癖のことを言います。
TCHは顎関節症だけでなく歯周病にも影響があると考えられてい ます。
今回は、このTCHの改善方法についてご紹介したいと思います。
歯を接触させている方は自覚がない
TCHは歯の接触癖ですので、 その癖をなくすというのが根本的な解決になります。
しかし、 歯を接触させている方は自覚がないことがほとんどなのです。
あごの関節に痛みがある、と来院される患者さんに対して担当医師は毎回
「日常的に歯を食いしばっていませんか?、日中に歯と歯をくっつけていませんか?」と問診をします。
食いしばりに関しては
「パソコンに集中していると、気が付いたら食いしばっていること があります」
「重たいものを運ぶことが多いので、 どうしても食いしばってしまいます」
など、自覚があることが多いのです。
日常の歯のポジションがどうなっているかについてはあまり意識されていないことが多いな 、というのが
患者さんのお話を聞いていると体感としてあります。
日常の歯のポジションの確認をする方法は簡単
ゆっくりと唇を合わせるように口を閉じてみてください。
上下の歯は触れていますか?(ちなみに私は触れてしまいました… )
触れていたらTCHがあるということです。
通常は食事や会話の時にしか上下の歯は接触しませんし、
1日の中で上下の歯の接触時間は20分以内が理想と言われていま す。
歯の上下が触れている程度の力でも、それが長時間にわたると歯周組織に良くない影響を及ぼします。
では、どのような改善方法があるのでしょうか。
歯と歯を離すことを意識づける
当院の歯科医師も患者さんに勧めている方法なのですが
付箋などに「歯と歯をくっつけない!」「歯と歯を離す!」等書いて、
写真に撮ってスマートフォンのロック画面に設定するのも良いかも しれませんね。
それを見たら、ご自分の歯のポジションを意識して頂いて
もし触れていたら離すようにして下さい。
アナログな方法ですが、割と効果的です。
目には入るけど読まない、という状況の防止のため、 数日で場所を変えたり
付箋の色や種類を変えるのもオススメです。
舌を正しいポジションに置く
舌の正しいポジションは上の前歯の後ろ側です。
これも是非、付箋に書いて貼っておきましょう。
姿勢に気を付ける
TCHは普段の姿勢に大きく影響を受けます。
試してみて頂きたいのですが
1 椅子に座った状態で目線を上に向け、 少し上を向くような姿勢をとる
2 椅子に座った状態で目線を下に向け、 足先を見るように下を向く姿勢をとる
おそらく、 2の姿勢をとったときには上下の歯が触れてしまったのではないでしょうか。
この「少し下を向いた姿勢」 というのはTCHにつながりやすいのです。
スマートフォンやパソコンを見ているときに、この下向きの姿勢に なっていませんか?
操作中の姿勢にも気を付けてみて下さい。


受付・助手:たかさわ