
こんにちは、衛生士の萩生田です!
さて、今回はフッ化物洗口剤についてお話しします!
エフコート
日本で販売されているフッ化物洗口剤は、従来医療用医薬品のみでしたが、2015年にOTC医薬品「エフコート」 が要指導医薬品として誕生し、2019年9月に第3類医薬品に移行したのをご存知ですか?
これによって、 消費者として、薬剤師もしくは登録販売者がいれば、薬局·薬店でもフッ化物洗口剤が入手できるようになり、フッ化物洗口利用者の増加が期待されています。
このような情報をみなさまに正確に知っていただくにはフッ化物洗口の歴史から振り返ることが必要です。
☆フッ化物洗口の始まりと予防効果☆
世界的には、1945年ころからフッ化物応用が始まり、その歴史は75年以上になりました。
フッ化物洗口については、1946年にBibby” によってむし歯予防効果が報告されました。
日本では、1966年に笠倉が小学校でフッ化物イオン濃度450ppmのフッ化ナトリウム溶液で週5回のフッ化物洗口を行った結果、2年間で60%もDMFT指数が減少したと報告しました。
その後の研究によって、フッ化物洗口によるう蝕予防効果について「洗口開始年齢と実施期間が類似していれば、洗口液のフッ化物濃度、洗口頻度が異なっていてもほぼ同程度であり、全体的にはDMFT(一人平均醐蝕歯数)またはDMFS(一人平均醐蝕歯面数)の評価で30~80%の値が得られている」と「う蝕予防のためのフッ化物洗口実施マニュアル』に記載されています。
さらに「保育所幼稚園から中学3年生まで11年間フッ化物洗口法を実施した小児ではほぼ80%のう蝕予防効果が得られている」と2つの研究を紹介しています。
☆日本で52年前に誕生したフッ化物洗口製剤は顕粒の医療用医薬品でした!☆
わが国で はじめてフッ化物洗口製剤が誕生したのは1968年5月でした。
それは「ミラノール頼粒11%(現行名)」であり、 処方せんを必要としない医療用医薬品として販売を開始しました。
続いて1998年6月に「オラブリス洗口用頼粒11%(現行名)」が販売を開始しました。
両者ともに、現在ではフッ化物イオン濃度として250、 450、 900 ppmのフッ化物洗口液を調製して利用することが承認されています。
現行のミラノール頼粒11%の添付文書の用法用量は表1、 2の記載があります。
表1の分包品の場合
各1袋(包)に入っている頼粒を指定された水の量で溶かすと、表の右にあるフッ化物イオン濃度の洗口液ができあがるようになっています。
通常は未就学児で5mL。小学生以上で7~10㎡Lの洗口液を口に含み、約30秒間薬液が十分に歯面にゆきわたるようにブクブクとうがいし、薬液を十分に吐き出すという手順で洗口が終わります。
家庭では就寝前の1日1回(フッ化物イオン濃度250ppmまたは450 ppmう蝕になりやすい方は高濃度のものがよいでしょう)
幼稚園などでは月曜から金曜までの週5日、昼食後などに(フッ化物イオン濃度250ppm
または450ppm)、小学校以上では1週間のうちある1日(フッ化物イオン濃度900ppm)で洗口を行っているようです。
表2の500g包装品の場合
家庭で利用するのではなく、学校などの集団で行う場合に用います。
表1の必要量が1袋に分包されているものとは違い、500gの頼粒が入っているビンから必要量を量り取らなければなりません。
量り取ったものを、指示された量の水に溶かして目的のフッ化物イオン濃度のフッ化物洗口液にするのに資格は不要ですが、量り取ることができるのは、医師、 歯科医師、薬剤師に限られます。
このようにフッ素洗口剤は多くの効果が得られるようです。
みなさんもフッ素でむしばを予防していきましょう!
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