こんにちは。歯科衛生士の吉澤です。

先月育休から復帰しました。仕事しながらの家事、育児はやはり大変ですが、なんとかやっております。

世のお母様方、一緒に頑張りましょう〜!

今回は電動歯ブラシについてです。

 

【電動歯ブラシとは】

 

ブラッシングには一般的に手用歯ブラシが使用されていますが、近年では数多くの電動歯ブラシが市販され、歯周病に対する予防、治療、メインテナンスの際のセルフケアとして注目されるようになりました。
いま多く市販されているものには「音波振動式電動歯ブラシ(音波歯ブラシ)」と「超音波振動式電動歯ブラシ(超音波歯ブラシ)」があり、その特徴について説明していきます。

【音波振動式電動歯ブラシ(音波ブラシ)】

現在市販されているほとんどの電動歯ブラシは音波振動式で、毎分約30000回の音波振動を発生させてプラーク除去を行います。
またその音波から生み出される液体流動力(ダイナミックフルイドアクション)によって発生する水流でポケット内のプラークを洗浄するともいわれています。
代表的な音波歯ブラシとしては

・ソニッケアー CD(基本となる縦動きの振動に立体的な動きが加わったもの)

 

・ブラウンオーラルB(毛先が反復回転運動していたものに、立体的な振動を加えたもの)

 

・ドルツ(横磨きの振動に立体的な振動が加わったもの)

 

などがあり、同じ音波振動式でもそれぞれに特徴をもっています。

【超音波振動式電動歯ブラシ(超音波歯ブラシ)】

 

約1.6MHz以上の高い周波の音波である超音波で歯とプラークの付着を弱め,剝離させてプラークを除去します。また,口腔内細菌に直接作用し破壊するともいわれています。

 

超音波歯ブラシはブラシの振動が非常に微弱でプラーク除去能力が低いため,手用歯ブラシと同様に小刻みに手を動かす必要があります。

 

 

【電動歯ブラシの普及率】

では,日本ではどのくらい電動歯ブラシが使用されているのでしょうか?

 

まず日本人のブラッシングの現状は,「歯科疾患実態調査」の結果から,”歯を毎日磨かない人”は1969年では約20%であったのに対して,2016年では約2%まで減少し,”1日に2〜3回磨く人”は2016年で約77%と増加しています。

 

つまり,ブラッシングの重要性に関しては国民全体に把握されてきています。

 

しかし!!

現在の日本の成人の8割以上が歯周病に罹患している実態から,多くの歯周病患者は歯を磨いていないのではなく,歯がうまく磨けていないと考えられます。

 

オーラルケアの観点から歯科医師からも推奨され,歯周病の原因となるプラークの除去において手用歯ブラシよりも有効性が認められている電動歯ブラシは,すでに海外では一般的に普及し使用されています。

 

「ブラウン オーラルB」の調べによると,

全世界の浸透率の平均は24%,

特にヨーロッパでは総じて高く,ドイツがもっとも高い約4割(42%)にも上ります。

 

一方で,日本は5%前後とまだまだ浸透率は低いのが現状です。

 

【電動歯ブラシをオススメしたい人】

 

電動歯ブラシにはメリット・デメリットがありますが,適切な使用方法をマスターすれば手用歯ブラシの小刻みに振動させるという難しい操作が省かれ,ターゲットとなる部位に適切な角度で当てるだけで短時間にプラーク除去が可能となります。

そのため電動歯ブラシを特にお勧めしたいのは

手用歯ブラシをうまく使えない人やブラッシング圧の強い人、

分ではブラッシングができず他者の補助や介護が必要な人です 。

 

【電動歯ブラシのメリット・デメリット】

 

メリット

・手用歯ブラシの小刻みに振動させるという難しい操作が省かれ,短時間にプラークが除去できる

・ブラシをつけ替えることで,さまざまな部位(舌や歯間部など)に使用できる

 

デメリット

・手用歯ブラシに比べて高価である

・高齢者などによっては,充電操作などの電気器具取り扱いが困難な場合がある

・大きく,重量があるため,使用の継続が負担である

・慣れていない場合,振動を不快に感じたり,手用ブラシのほうが磨いた感じがすることがある

 

これらの事をふまえて自分に合った歯ブラシを選んでいきたいですね。