こんにちは!受付の信徳です。
本日は身体の状態とお口の中の状態の関係性についてお話し致します。

(1)全身状態と口腔内の状態

全身状態によってお口の中の状態に影響を及ぼすことがあります。
また逆に、お口の中の状態によって全身状態に影響を及ぼすこともあり、全身の健康と口の健康は、密接に関係しています。
つまり、全身の健康を維持することが口の健康に繋がり、口の健康を維持することが全身の健康に繋がっているのです。
口腔内に影響を及ぼしている全身状態として、加齢、糖尿病、心疾患、脳血管障害、がん治療、内服薬、経管栄養栄養、妊娠、喫煙などがあげられます。
全身状態によって口腔内への影響も異なり、また口腔ケアもその状態に応じた工夫が必要となります。

(2)口腔内に影響を及ぼす全身状態

○加齢(高齢者)

加齢に伴って、歯の摩耗、歯肉退縮などの変化ぎ現れてきます。
また、虫歯や歯周病の進展などによって徐々に歯の喪失がみられます。
さらに、口腔機能の低下(滑舌が悪い、食べこぼし、噛めない、むせる、飲み込めないなど)や食の偏りがみられるようになります。

○糖尿病

感染リスクが高いため、歯周疾患や治りが遅くなってしまい、唾液の減少がみられます。

○心疾患

内服薬の種類によっては、出血しやすいことがあります。口腔衛生が不良だと感染性心内膜炎のリスクが増加することがあります。

○脳血管障害

マヒや嚥下障害により口腔内に食べ物が残りやすく不衛生になりやすい状態で、誤嚥性肺炎のリスクも高くなります。

○がん治療(放射線治療、抗がん剤などによる科学療法)

・放射線治療での口腔粘膜炎の発症率は、頭頸部がんならほぼ100%、その他の部位でも40〜70%の割合で発症します。
・唾液腺の昨日低下によって、口腔乾燥症、虫歯、歯肉炎が憎悪することがあります。
・免疫力低下によって、口腔カンジダ症、ウイルス感染(ヘルペス)などが発症することがあります。
・味覚障害が出現することがあります。

○妊婦

女性ホルモンの増加により唾液の分泌量が低下。歯周病、口臭、虫歯などのお口のトラブルが起こりやすい時期とされています。
・虫歯
酸性の食べ物を好むようになり、口腔内のpHが酸性に傾き、虫歯になりやすくなります。
・妊娠性歯肉炎
女性ホルモンの増加により起きることがあります。
・妊娠性エプーリス
歯肉のコラーゲンが増加したもので、発症部は上の前歯に多くみられます。
・妊娠性歯周病
重度の歯周病になることにより、早産や低体重児出産のリスクが高くなるといわれています。
・妊娠性糖尿病
妊娠時には胎盤で血糖値を上げるホルモンが作り出されるため、血糖値が上がりやすくなります。
以上のように、それぞれの病気や身体の状態がどのようにお口の中へ影響を及ぼすのかをお話しいたしました。
では逆に、今のお口の中の状態が新型コロナウイルスにどう影響を及ぼすのかをお話し致します。
今年一月に国会で行われた参院予算委員会で発表された論文「歯周病と新型コロナ感染の重症度との関連性」が紹介され、注目されています。
歯周病であり、新型コロナウイルスに感染した人(検査数)258のうち33人が重症化したのに対し、歯周病のない人では(検査数)310のうち重症者は7人となっています。
また、歯周病患者は歯周病でない患者に比べ、約8.8倍死亡リスクが増します。
歯周病は自覚症状がほとんどなく、放置すれば悪化し自然に治ることはありません。
日々の歯磨きや口腔ケア、歯医者での定期的なクリーニングがとても重要になってきます。
自分はどうだろう、と思った方はぜひ一度歯医者に行ってみて下さい。
お口と全身はとても繋がりがある事をお分かり頂けたでしょうか?
これからも私達は患者様のお口を通じてより良い状態にしていくお手伝いを全力でして参ります。
お気軽にご相談下さい。
参照 「口から支える健康長寿」