
喫煙が様々な疾病の因子になっていることは皆様ご存知だと思います。
意外と思われるかもしれませんが、喫煙は歯周病にも大きな関係があるのです。
喫煙は歯周病における最大のリスクファクターであり、喫煙と歯周病の関連は日本歯周病学会をはじめ多数報告されています。
煙草の煙には分かっているだけでも7000種類以上の化学物質が含まれており、体内に様々な害をもたらします。
中でも三大有害物質として
・ニコチン
・一酸化炭素
・タール
が挙げられます。
ニコチン
ニコチンは「毒物及び劇物取締法」の対象となっている毒物です。
小児においては煙草1本に含まれるニコチンが致死量となり大人でも煙草3本あれば死に至ると言われています。
ニコチンには血管収縮作用があるため、高血圧や脳梗塞、心筋梗塞などの原因になります。
また口から入ったニコチンは胃粘膜を刺激し、胃潰瘍や十二支潰瘍を引き起こします。
一酸化炭素
一酸化炭素は体内に入るとヘモグロビンと結合してヘモグロビン全体の5~10%が一酸化炭素ヘモグロビンとなり、身体は酸素欠乏状態になります。
血液の酸素欠乏は心臓血管病や思考力の低下をひきおこします。
タール
タール中には40~200以上の発がん性物質が含まれていると言われています。
煙草を吸うことでその発がん性物質や様々な有害成分が身体中の細胞を傷つけ循環器疾患、呼吸器疾患、がんなどの影響をもたらすのです。
歯や歯肉への影響
煙草の有害物質は歯や歯肉にも害を及ぼします。
煙の熱などの物理的刺激とニコチンなどの化学的刺激によって、歯肉への血流不足や歯肉組織の選以下が起こり、歯周病を悪化させます。
血液循環が悪化して歯ぐきに十分な酸素がいきわたらなくなると、歯周ポケットの中で歯周病の原因となる細菌が繁殖しやすくなります。
細菌が産生する毒素は歯周ポケットをさらに深めるとともに歯を支える骨を溶かし、進行すると歯がぐらぐらするようになり、さらに進むと歯が失われます。
歯ぐきからの出血は、炎症という正常な生体防御反応のサインですが、喫煙者では血管収縮による血行不良により炎症が抑えられるため、歯ぐきの出血や腫れが現れにくいことが特徴です。
そのため、喫煙者は非喫煙者に比べて歯周病の自覚・発見が遅れ歯周病が進行しやすく、重篤であるケースが多いとされています。
一酸化炭素は免疫細胞に障害を与えることで細菌への防御を弱くします。
さらには線維芽細胞の増殖や歯に対する接着機能を阻害し、組織修復機能を低下させます。
タールなどは歯面に沈着すると黒褐色のヤニとなります。
ヤニが存在するとプラークが付着しやすくなるうえに、化学物質が含まれているため感染を助長して組織再生を阻害します。
抜歯やオペ後の歯ぐきの治りは、喫煙をしていない方の方が明らかにきれいにです。
また、インプラントなどのオペの際にはできるだけ前後での禁煙をお願いしています。
喫煙の害は口腔内にとっても大きいことを、是非知って頂けたらと思います。
受付・助手:たかさわ