産休を経て、復帰して約一年が経ちました。

日々子育ての楽しさと大変さを感じています。

息子も1歳4ヶ月になりイヤイヤなことがあるとすぐえびぞりするので困ってしまいます。

産まれたてはおしゃぶりを使っていて、半年くらいの時に卒業出来ましたけど、最近は歯がかゆいのか、指しゃぶりをよくしています。

低年齢児の口腔習癖として、指しゃぶり、爪噛み、口呼吸などが多く見られますが今回は指しゃぶりについて紹介しようと思います!

1.指しゃぶりの影響

 

指しゃぶりの歯科的影響は、しゃぶる指の種類と期間、吸う強さと頻度、上下の顎関係などによって現れ方に個人差が出てきます。

 

上顎前突や歯性の開咬は、4歳くらいまでにしゃぶりをやめることができれば影響も軽度で、開咬の自然治癒が期待できます。しかし、5歳以降も頑固な指しゃぶりを続けていると、骨格性の開咬へと移行し、矯正治療も難しくなります。

 

開咬状態になると、低位舌、舌突出癖に加え、口唇(口輪筋)の筋力が弱まることによって、発音・咀嚼・嚥下機能への影響が現れ、習慣性の口呼吸も定着しやすくなります。

 

 

 

2.指しゃぶりへの対応

 

1)乳児期から3歳ごろまでは様子を見る

 

乳児期から1歳児ごろは、指に限らず、いろいろなものを舐めたり、嚙んだり、吸う行為を繰り返す様子がよく見受けられます。

これは口の感覚機能を高め、その発達に役立つといわれ、意味のある生理的な行為と考えられています。その生理的な指しゃぶりが長く続くと習慣化して、習癖として2~3歳ごろまで続く様子も、日常よく見受けられる姿です。

 

しかし、多くの子どもは、心身の発達に伴う活動範囲の広がりによって、次第に指しゃぶりの頻度が減っていきます。

 

しゃぶるにしても、寝入りや退屈なときなど、ある決まった状況のときだけに限られることが多くなります。

 

この時期の周囲の口うるさい注意や叱責は逆効果で、かえってかたくなになり、その後の自発的にやめようとする気持ちをうまく育てられない可能性もあります。

 

日常生活では、起床、朝食から始まる規則正しい生活リズムを整え、指をしゃぶるのを忘れるくらい楽しく夢中で遊べるような環境づくりを心がけることが大切です。

 

2)3歳半ごろからはやめさせる方向に誘導

 

幼稚園など集団生活が増えてくると、社会性が発達し、指しゃぶりが好ましくない行為であることを感じ始めます。

 

歯並びや発音がおかしいことも徐々に認識できるようになり、3歳後半になると多くの子どもが自発的にやめるようになります。

 

指しゃぶりの相談を受けると、いかにしてやめさせるかに考えが陥りがちです。

 

心理的に不安定な時期に無理やりやめさせると、他の癖に形を変えたり、髪の毛を抜くなどの自傷行為を行うケースも報告されています。

 

指しゃぶりが子どもの精神的安定の手段となっていると思われる場合は、

“いまはやめさせないほうがよいケース”であるという判断力も必要になります。

 

3)5歳以降の”頑固な指しゃぶり”

 

5歳以降で指に吸いダコができていたり、不正咬合や舌突出癖などの問題が顕著な”頑固な指しゃぶり”のケースは、専門医による矯正治療や本格的なMFTが必要になります。

 

また、”頑固な指しゃぶり”を続けている子どものなかには、子ども自身の心の問題や家庭内の不和、保護者側の問題が原因となっている場合もあります。

 

その懸念がある場合には、矯正治療の前に心の問題を解決することが優先されるべきで、専門家(小児神経科医や臨床心理士など)との連携が必要になります。

また、発音に問題があれば言語聴覚士など、他科への紹介も検討する必要があるでしょう。

 

5歳以降で指しゃぶりを続ける場合は、是非受診してみて下さい!!

次回は指しゃぶりへの指導を紹介する予定です。