こんにちは。

勤務医の伴です。

すがすがしい初夏の季節となりました。皆さんいかがお過ごしでしょうか。

本日は院内実習の様子をご紹介いたします。

最近では歯の型を取る実習がありました。

皆さん、一度は歯医者で経験したことがあるのではないでしょうか。

 

 

歯の型を取る理由

そもそも歯の型取りは何のためにしているのでしょうか?

それは以下の2点が主な理由です。

①被せ物や入れ歯を作るため

②口の中の状態を記録するため

です。

以下、この2点について説明致します。

 

①被せ物や入れ歯を作るため

歯科技工士さんが被せ物などの技工物を作るのですが、技工士さんは実際に口の中を見ていないため、患者さんのお口の中の状態を知って、作製するためには模型が必要です。模型、採取した型に石膏を流して模型にします。

②口の中の状態を記録するため

こちらも採取した型に石膏を流して模型にします。用途としては今後の治療計画を立てたり、患者さんへの説明をしたりするために使用でき、型を取った時点のお口の中の状態を記録できます。

型を取るために、どんなことをしているか

 

実際は、どのように型取りを行なっているのでしょうか?

型取りはトレーと呼ばれる主に金属で出来た道具を使い、そのトレーに柔らかい材料を盛ってとります。

トレーを口に合わせるのは簡単ですが、スムーズに型取りを出来るようにするにはなかなか難しいのです!

実習では先輩ドクターがお手本を見せながら指導します。

型を取る材料

 

では、何の材料を使っているのでしょうか?

みなさんは型を取る材料と言われると、何を思い浮かべますか?

ピンク色のやわらかい材料を思い浮かべた方が多いのではないでしょうか。

実はそのピンクの材料に使われているアルギン酸という成分、かまぼこを固めるのに使われているのと同じ成分なのです!

 

加えて、より細かく型をとりたいときには寒天も同時につかいます!

 

次に型を取るときは、かまぼこや寒天が口に入っていると思ってみてください。少しは緊張がほぐれるかもしれません。

ここまでは、大まかな型取りの流れをご説明しました。

 

 

実際では、型取りが苦手な方もいらっしゃるのではないでしょうか?

 

型を取るのが苦手な方へ

型取りの不快感はどうすれば緩和できるのでしょうか?

主に上の歯の型取り時に、オエっとなりやすいです。それは嘔吐反射といって、材料が喉の方に流れるために生じる反応から起こります。

当院ではなるべく喉の奥へ流れないよう配慮して型取りを行なっておりますが、患者さんご自身の対策として下記の3点があります。

・鼻で呼吸をする

・椅子を起こしてもらい、顎を引いて斜め下を向く

・自分の指など1点をみつめて気を紛らわす

ぜひ試してみてください!

私自身も患者さんの負担をできるだけ少なくできるよう、実習で学んだことを生かし精進致します。

 

※実習は感染防止に配慮し行っています。