こんにちは!

勤務医の味戸です。

 

ヤガサキ歯科医院に近い西菅谷小学校に学校検診で行ってきました。

 

みなさん、小さい時に受けているはずであろう歯科健診とはなんなのか、またそこで感じたことを話していこうかと思います。

 

 

学校歯科検診とは何か?

 

学校保健法に基づき、小、中、高に通う生徒に対して、虫歯、歯肉の状態、汚れの付着具合、噛み合わせ、顎関節などお口の問題点を指摘し、歯と口の健康づくりの正しい知識や、生活習慣を身につけるよう指導します。

 

小学校に入学する頃から永久歯が生え始め、徐々に乳歯が永久歯に変わり、中学校に入学する頃には永久歯が全て生え替わります。

 

生えたばかりの歯はあまり固くなく、歯ブラシも届きにくいため、油断すると虫歯になることも多くあります。

 

 

あくまで学校歯科検診はスクリーニングテストであり、精密な検査ではありません。

歯と歯の間などレントゲンでしかわからないところは、判断できないため、気になるところがあった場合は、歯科医院に行くことをお勧めします。

 

 

歯式とは?

 

 

検診の際に「斜線」、「丸」、「C」など、耳にしたことがありませんか?

 

歯式を記入する際に、そのような記号で書く人に我々歯科医師は伝えています。

 

では、いったいどんな意味があるのか。解説していきます。

 

  • ①斜線、横線(/、ー) 現在歯のこと。永久歯、乳歯共に異常なし。

 

  • ②未処置歯(C) 処置が必要な歯のこと。よく聞く虫歯のこと。また、治療中の歯、治療して虫歯が再発したものも含まれる。

 

  • ③喪失歯(△) 虫歯が原因で喪失した永久歯のこと。怪我などで失った歯は喪失歯としてカウントはしません。

 

  • ④処置歯(○) 虫歯などで削り、充填、被せ物により、歯の機能を営むことができると認められる歯のこと。

 

  • ⑤要観察歯(CO) 主に視診にて明らかな虫歯が確認できないが、虫歯の初期病変の徴候(白くなったり、色が変わっている歯など)が認められ、その経過を注意深く観察する必要がある歯のこと。

 

  • ⑥要注意乳歯(×) 抜くかそのままにしておくか考慮する乳歯のこと。

 

  • ⑦歯周疾患要観察者(GO) 歯肉炎が認められるが、歯石沈着は認めず、生活習慣の改善と適切なブラッシング等の保健指導を行うことで改善が望まれる者。

 

  • ⑧歯周疾患要処置者(G) 精密検査や治療が必要な者。

 

  • ⑨歯石沈着(ZS) 歯肉炎を認めないが歯石沈着のある者。

 

実は色々な歯式があったんです!

 

この中で特に歯科医院の検査が必要な歯式は

①未処置歯(C)、

⑤要観察歯(CO)、

⑥要注意乳歯(×)、

⑦歯周疾患要観察者(GO)、

⑧歯周疾患要処置者(G)、

⑨歯石沈着(ZS)

です。

上記の歯式を記入されてしまった場合、精密な検査(レントゲンや専用の器具を使用して)を行い、診断してもらい、疾患の進行を抑えることがとても大切です!

 

歯科医院に行く必要なある歯式を記入されてしまっても、まだ全然遅くありません!

 

恥ずかしい話、私自身は歯が弱く、虫歯になりやすかったです。

 

未処置歯や処置歯が多かった記憶があります。

 

しっかり生活習慣、ブラッシングをしっかり改善すればよかったなと思っています。

 

ヤガサキ歯科医院はとっても優しい先生ばかりなので、気軽に受診してみてください。

 

 

実際、検診をしてみて感じたこと。

 

私が小さい頃は、虫歯の子も結構いたのですが、今回の検診で虫歯の子はほとんどいませんでした。

 

すごく驚きました。

 

徹底して、親御さんが仕上げ磨き、食生活をしっかりされているんだなと感心しました。

 

しかし、それと同時に歯並びに不安がある子が多くいました。

 

将来、永久歯が生えるスペースがなく、歯が重なり合う口になりそうだなと感じました。

 

それはなぜなのか。自分なりに考察しました。

 

今の食事は柔らかいものが多いいと感じます。

 

ある調査では、現代の一回の食事での噛む回数は約620回で戦前(昭和初期)の約1420回の半分となっています。

 

卑弥呼の時代の食事はなんと約4000回で食事に50分あまりかかっていたそうです。

 

食事が単にものを食べる行為としか捉えられておらず、食べものを柔らかくし、単純に栄養摂取のみを目的としたからです。

 

食べ物に柔らかさを求めるようになったのは、40年ほど前のことです。1980年代に噛めないことが社会問題になりました。

 

そこからファーストフード店が多くなり、軟食が美味しいという誤った認識が広まりました。

 

噛む力が弱くなると、噛む筋肉や顎の骨が十分に発達せず、歯並びの乱れが起こるのではないかと感じました。

 

食事以外で噛む回数を補うのが、ガムです。しかし、最近みなさん、ガムは噛んでますか?

 

私も、そういえば噛んでいないな、と感じました。

 

ガム1枚(3g)にかかる噛む回数は550回。それ対し、色々な主食(10g)の噛む回数を調べました。

 

そば:15回

ピザ29回

スパゲッティ:38回

ごはん:41回

食パン:50回

 

もちろん、主食は変えられないので、よく噛むことが大事です。

 

しかし、柔らかい主食の噛む回数にも限界があります。

 

食後にガムを噛み、噛む回数を補うことはいいのではないかと考えます。

 

また、噛む回数が増えることによって、脳に血流が増え、集中力なども増します。

 

私も、これを機会にガムを噛み、噛む回数を増やしてみようかと思いました!

 

ぜひみなさんも、試してみてください。

 

しかし、それでも顎の小さい子がいるのも事実です。

 

そういう場合は、顎顔面矯正という矯正治療をお勧めします。

 

詳しい内容は、前々回のブログの方に梅本先生が書いていますので、ご覧になってみてはいかがでしょうか?

 

顎顔面矯正のセミナー【梅本Dr.】

 

学校検診から話がそれましたが、来年も検診に行ってみようと思います!

 

それまでに、日々、研鑽し、子供の口を視る目を養ってまいります。