こんにちは。勤務医の林邉です。

日を追うごとに夏らしくなるこの頃、お変わりなくお過ごしでしょうか?

さて、当院でも力を入れている歯周病治療ですが、クリーニングだけでは改善しない症状に対して、外科的にアプローチする治療があります。

 

これを総称として歯周外科治療と呼びます。

 

今回は景山先生のもと3回にわたり開催された、歯周外科セミナーでの内容を踏まえつつお伝えしていきます。

 

歯周外科治療は術式も目的によって様々

歯周外科治療と聞くと、マイナスイメージが先行してしますかもしれませんが、その主な目的は

 

  1. クリーニングでは届かないような、歯根の深いところに付着したプラークや歯石の除去
  2. 歯肉の形や厚みを変えることで、ブラッシングしやすい口腔内環境を作る
  3. 減ってしまった歯肉を増やし審美性の改善や向上を目指す

 

などが挙げられ、術式も目的によって様々です。

これらはより質の高い手技が求められるため、当院の勤務医は繰り返しセミナーを受講しています。

約1年順番待ちした甲斐がありました。

 

歯周外科セミナーの受講生は、なんと4人が定員です!

私が過去参加したことのある実習型のセミナーは、少なくとも受講生が10人以上はいましたが、今回は少人数制なので、とても手厚い指導を受けられ感動しました。

最初は講義からスタートです。理論をしっかり頭に入れる事は大切ですよね。

そして張り切って実習スタート!と思いきや、まずはオレンジを歯肉に見立てて切開と縫合の練習が始まりました。

これがなかなか難易度高めで、受講生はみんな苦戦していました。

スーパーに売っている何の変哲もないオレンジですが、皮と実の間をメスで切開し、針と糸を使って縫い合わせる練習です。

かなり繊細に扱わないとオレンジの皮が切れてしまって最初からやり直し、、こんなにオレンジと格闘したのは人生初です。

これが終わると豚顎を使用して本格的な実習にとりかかります。

 

豚の顎!

 

豚顎は歯周外科セミナーの実習ではよく使用され、実際の治療と似た感覚で手技を学ぶことができます。

私は経験豊富な2人の先生(1人は当院の副院長の安藤、私の為に休み返上で教えに来てくれました。優しい!)からみっちり指導を受け、豚顎を余す事なく使用
し、切開・縫合・移植など器具の角度や糸の縫い方一つで、治り方が変わってしまうような繊細な治療も学ぶことができました。

3回とも、半日が一瞬のうちに終わってしまい、まだまだ時間が足りない!と思ってしまうくらい充実したセミナーでした。

 

最後に、

 

「どんなに簡単な技術でも、練習をせずに習得することは出来ない。逆にどんなに難しいものでも、繰り返し練習すれば、誰でも身につけることが可能なのである。」

 

これは英国の医師サミュエル・スマイルズが残した言葉です。この言葉のように、日々鍛錬を忘れず、これからも患者様に安心して治療を任せてもらえる
よう、努力していきます。