こんにちは、勤務医の伴です。
厳しい暑さが続きますが、いかがお過ごしでしょうか。
今回は虫歯の治療で行われている、コンポジットレジン修復についてお伝えしたいと思います。院内でも先日実習しました!

■コンポジットレジン修復とは?

コンポジットレジン修復とは、虫歯を削った後に、歯の色に近い樹脂の材料で詰め物をする治療法です。
よく歯医者さんで、「白い詰め物をします。」と言われたことはありませんか?その”白い詰め物”がコンポジットレジンです。
コンポジットレジンはセラミック粒子と合成樹脂を合わせた、
複合の(=コンポジット)
プラスチック素材(=レジン)です。
レジン自体はアクセサリーなどにもよく使われている材料です♪

■コンポジットレジンの歴史

この材料は1960年代に日本に入ってきて、1970年代から保険導入が行われています。最初は歯との接着に問題があり、あまり使用されませんでした。しかし、その後飛躍的な進歩を遂げ、現在では虫歯の治療として広く普及しています。

■コンポジットレジン(以下「レジン」という)

 

修復のメリット・デメリット

◯メリット

  • ・歯の色に近い自然な色に仕上がる
  • ・ほとんどの症例が即日で終わる
  • ・虫歯のところだけをとるため、健康な歯を多く残せる
  • ・金属不使用のため、金属アレルギーを起こさない

×デメリット

  • ・時間が経つにつれ劣化してくる
  • ・咬み合わせにより割れたりすることがある
  • ・セラミックや金属に比べて強度が劣る
  • ・虫歯が大きいと強度により使えない場合がある

■実際の虫歯治療の流れ

①検査

口の中の状態とレントゲン写真とを照らし合わせ、ある程度虫歯の大きさを確認します。実際では、レントゲン写真よりも虫歯が広がっていることが多いです。

②虫歯になっている部分をとる

必要に応じて麻酔を使用します。
虫歯は回転する器具でとったり、小さいスプーンのような器具でとります。

③レジンでつめる

虫歯をとったところの穴にレジンをつめ、光で固めます。実はレジン自体は歯に接着しないので、ボンドのようなものを使ってレジンを歯に接着します。この時に唾液などが入ってしまうとくっつきづらいので、綿をいれたり、風をかけてよく乾燥させることが大切です。

④研磨

つめたところの形を整え、仕上げに磨きます。
このような流れで治療します。

■なんで虫歯をとったのに痛みが出るの?

虫歯の治療後、歯が痛むことがあります。これは治療により歯の神経が敏感になっていて、痛みを感じやすいためです。 なるべく刺激を与えないように過ごすと、痛みは徐々にひいていきます。痛みがおさまらない場合や、激痛の場合は、神経まで虫歯が進行していることが多く、根の治療が必要です。

■虫歯が大きく、レジンで治療できないときはどうするの?

レジンよりも固い金属やセラミックなどの材料で治療します。型をとって、技工士が詰め物を作製しますので、治療回数が1、2回多くかかります。
虫歯予防のためにも歯磨きやフロス、歯間ブラシなどを毎日頑張りましょう!