こんにちは!勤務医の味戸です。

今回は型を取る際に用いられる型取りトレーについて。さらには個人トレーという特製トレーについてお話しします。

型取りトレーとは?

被せ物を作成する際、通常、おおよそ人間の歯列の大きさに合わせて作られた金属のトレー(既 製トレー)で型取りを行います。

型取りは、なぜしているのか、どんな材料を使用しているのかは6月3日の伴先生のブログを見ててみてください!

歯の型を取る実習~型を取る理由・道具・材料、そして苦手な方へ~

すごく良くまとまっています。

今回は、その既製トレーでは型取りが難しい場合はどうすればよいか、をまとめさせていただき ます。

既製トレーでは型取りが難しい場合とは?

既製トレーでは型取りが難しい場合、個人トレーを使用します。
型取りが難しい場合とは、どういった時だと思いますか?
歯がほとんどなく、顎の骨がなくなり、既製トレーでは精密な型取り ができない時などです。
単体の被せ物をかぶせる治療で行う型取りの場合でも個人トレーを使用することもありますが、義歯のケースの方が多いです。

患者さん専用の型取りトレー(個人トレー)とは?

では、個人トレーとは何か。
個々の顎の状態に合わせて制作されたトレーのことをいい、材料は硬いプラスチックでできた物 のことです。

利点

  1. 製作する入れ歯の設計にかなった型取りができる。
  2. 型取りの材料の厚みを均一にできる。
  3. 専用の材料を併用することで、適切な顎の状態を記録できます。
  4. 4型取りの圧をコントロールできます。

 

欠点

  1. 既製トレーで型取りをして、模型にして作るため、来院回数が増えます。

 

作り方

  1. 模型の余分な部分を削り、適切な形にする。
  2. 入れ歯の外形を記入する。
  3. その外形線に合わせてプラスチックの材料を伸ばしていく。

*分かり易いように、難しい部分は簡略しています。

 

実際の口腔内での使用方法

  1. 個人トレーを口腔内に入れ、痛む部分がないか確認する。
  2. アルジネート印象材(ピンク色の冷たい型取り材)をトレーに盛り、型取りする。

 

 

 

型を取った後、模型にしたら、患者さんの口腔内が模型に正確にコピーされます!
この模型を使い、最終的な義 歯の設計であったり、噛み合わせの記録の装置を作ります。
歯科の被せ物、義歯などは模型にして、はじめて技工士さんに患者さんの口腔内を伝えることが できます。
いわば、模型は技工士さんへの情報の架け橋です。
綺麗な歯の形にしても、正確な型取りができなければ、無意味なのです。
 個人トレーを作成していると、こういう義歯の形がいいのでは?など色々アイデアが浮かんできま す。
難しい型取りのケースは、積極的に作成し、使用していきたいと感じました!