不正咬合は予防できる？！　～後天的因子なら歯並びや噛み合わせの状態が良くない状態を予防可能～

【不正咬合の原因】

先天的と後天的なものがあり、ほとんどの症例において両方の原因が関与 していると推測されますが、その比率は個人個人で異なり、 明らかにすることはできません。このうちの後天的因子、すなわち生後の環境によって左右される因子によって生じる不正咬合が予防可能なのです。

成人の正常嚥下では、舌背に食塊を集めた後歯をしっかり咬みわせ、舌を口蓋に強く押しつけて食塊を咽頭部に送り込みます。

この正しい嚥下の動作を幼少期に習得できないまま成長していくと不正咬合を招いてしまうと考えられています。

舌が口蓋を押すだけならば、歯には力がかからないため歯列に問題は生じないでしょうが歯を押してしまえば、その力のかかり方に応じてどんどん歯並びが歪められるのは当然のことと推測できます。

小さいうちに口にする食べ物の硬さも重要です。

おすわりができるようになるころに、歯固めになるような茹でたごぼうやブロッコリーの芯の部分を持たせて、噛むことによって筋肉トレーニングさせることがいいようです。

 

歯が生えたときに噛める力を、歯がないときから鍛えておくのです。

乳幼児期の飲むこと食べることは、 栄養補給だけでなく、顎や舌の筋肉を鍛え、 正しい嚥下機 能、発音機能を育てているのです。

それと同時に口を閉じて両方の奥歯でしっかり噛む、足をしっかりつけて、姿勢よく食べる、飲み物は食事中には出さない。なども食に関する重要な事柄です。

 

【口唇閉鎖】

お口がぽかんと開いているのに、正しい嚥下はできません。

 

不正咬合を回避するためには、まず口をしっかり閉じましょう。

口唇閉鎖不全は、歯肉炎、着色、口唇の荒れを生じさせ、さらにむし歯や外気道感染のリスクを上げるなどの問題を引き起こしますので、開いていることに気付いたら閉じるようにして下さい。

口唇閉鎖を容易にするために、口唇の筋力を遊びながら鍛えてみましょう。

吹き戻しや笛でもいいですし、 お風呂の中で口に含んだ水を飛ばしてみたりしてもいいでしょう。

そして姿勢も重要で、姿勢が悪い子ほどお口が開いている傾向にあります。
テレビを見ている時や勉強している時のふとした時の姿勢やお口をチェックしてみて下さい。

最近学校検診でも、むし歯よりも不正咬合の子が多いということなので、お家の方が注意してみていけば防げるのであれば、防ぎたいですよね。

 

我が家の長女も気付くと、ソファに寝転がってテレビを観ているのでしょっちゅう注意しています。

癖になってしまうとなかなか直すのが難しいですが、子供の全身の健康の為にも小さいうちにしっかり習慣づけておきましょう。

歯科衛生士　吉澤

参照　デンタルハイジーン