
こんにちは。歯科医師の余です。三連休もかなり暑かったですが、 いかがお過ごしでしょうか。
今回は、 前回に引き続き覚醒時ブラキシズムのコントロール法についてです 。ステップごとに紹介します。
1stステップ 理解する!(動機づけ)一日における生理的な歯の接触時間(平均17.5分)と” 食いしばり”まで達しないような軽い歯の接触であっても咀嚼筋の活動が増加し、 それが持続することによって顎関節や咀嚼筋への負担になります。
これについては、咬筋部(または側頭筋部)に人差し指を当てて、 軽い歯の接触によっても筋の収縮が生じることを実感します。
2ndステップ 気がつく!(意識化訓練、競合反応訓練)
『リマインダー(合図)』 を用いて自分の行動を強制的に確認します。リマインダーとしてはメモやシールなどといった視覚的なものや、 タイマーの音や振動を用いることができます。リマインダーからの合図があった時に、歯の接触(Tooth Contact)をしていないかを確認します。この時に重要なのは、力の大きさは無視して、 あくまで歯の接触の有無を基準とすることです。合図の回数に対して4〜 5割以上の頻度で歯の接触が確認された場合、かなり多いです。
最初の段階では、自分の行動を自覚させることが重要であり、 これが意識化訓練になります。
次に、競合反応訓練を行います。 合図があった時に歯の接触に気づいたら、すぐに深呼吸をします。
深呼吸の際には両肩を持ち上げながら鼻から大きく息を吸い込み脱 力して肩を落とした勢いで口から息を吐き出します。こうすると、 上半身の力が抜けたと同時に自然と歯が離れる感覚を体験できます 。”咬んでいた”というショック
の直後に、”力が抜けたら自然と歯が離れた!” という安心感を体験できます。
3rdステップ 繰り返す!(強化)
“2ndステップ”を繰り返すことにより、 リマインダーからの合図がなくても上下の歯の接触に気づくように なってきます。つまり、歯が当たったことに気づくという頻度が増えてきます。
その結果、 今まで認識していた力よりも弱い力で自らの咬んだという行動に気 づくようになります。
TCHコントロールの目標
TCHコントロールの最終目的はTCHによって引き起こされてい る症状を軽減もしくは消失させることです。
ステップに従って、 第一目標は歯の接触の持続の時間を短縮することであり、すなわち自ら歯の接触に気づくようになることです。
これが達成できたら次の目標を目指します。 第二目標は歯の接触に対して不快感を得られるようになることです 。歯の接触維持を不快に感じるようになれば、 自然と持続が妨げられます。
どうでしょうか。みなさん、是非やってみてください。
お困りのことがありましたら、お越しください。